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2006.09.22

ハハ キトク ・・・② <命>

南武線は5分遅れで発車
京急川崎では羽田直行急行は出た後だった
京急蒲田まで行く タクシーも視野に入れる 品川から来た羽田行きがくる
何とか間に合った 13:30発ANAに乗る

空港には姉貴の息子たちが来てくれていた
長男に様子を聞きながら車に乗り込む
「覆面パトカーが走っているからな」長男が運転の次男を諌めるようにつぶやく

病院の玄関には・・・なんだぁ 親戚一同が勢ぞろいしている
車のオイラの顔を確認すると寄ってきた
悲壮感はない 少し安心した 小康状態だそうだ
医者が「みんなを集めなさい」と指示したそうな
「いつから東京なんだ 北海道じゃなかったのか」
伯父、叔父、伯母、叔母、その家族・・・
ご無沙汰を責められながら病室へ

酸素マスクと昇圧剤、生理食塩水の点滴、心電機、血圧計・・・
母は必死の形相で戦っていた
とりあえずの危機は脱したそうだ
「お前が来たから大丈夫だな いったん帰るぞ」
「うん 有難う」
親戚たち帰宅
ずっと見守ってくれていたようだ

看護士が来た
「長男さんが来られたら先生がお話があるそうです」
親父と姉貴と3人 医室に呼ばれる

「今後の医療方針についてご確認しておきたいのですが」

今は昇圧剤で血圧を維持していますが 予断は許しません
今後 危篤状態になられたときに   延命処置を施されますか?
大変苦しまれるかもしれません
心臓マッサージの際 肋骨が折れるかもしれません

それは・・・
すべては父の想いです
この世の中で母を一番愛しているのは父ですから
母はとても気丈な女性でした
今 アルツハイマーが進行してもう意識がありませんが
今もし母に意識があれば今の(アルツハイマーの)状態は耐えられないでしょう
ニッコリ笑って<延命処置はいらない>という気がします
でも 父は 母を失えない 父の人生そのものですから
ですから 
すべては父の想いに委ねます

横にいた父がゆっくりと言葉をはさむ

もう家内とは会話もできません
ですから
<私が>どうこうということではなくって
<家内を>苦しめたくはありません
自然のままに させてあげたいと思います


・・・・・・・・・・・




病室に戻る
真っ白になって黒みがかっていたという母の顔に赤みが戻っていた

姉と顔が合う

 でもさ 41.5度ってすごいと思わないか
 それだけの熱が出るって 全身で戦っていたんだよな
 5年も寝たきりで体力も残っていないはずなのに
 こんな小さな体で こんな痩せた体で 戦っていたんだよな

姉もうなずく
 そうよ お母さんはすごいもん

母の手を握る
ぎゅっと握った小さな拳に指を差し入れる
 頑張ったね そう言って手を撫でる



しばらくして
母の拳から抜き取ろうとした指を

確かに

微かな握力が

引き止めた



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